健康チャンネルマガジン 特集記事Vol.2 ロック音楽でも血圧は下がる!? キーワードは“リラックス”高めの血圧に効果的な音楽のチカラ 健康チャンネルマガジン 特集記事Vol.2 ロック音楽でも血圧は下がる!? キーワードは“リラックス”高めの血圧に効果的な音楽のチカラ

健康チャンネルマガジン 特集記事Vol.2
ロック音楽でも血圧は下がる!?
キーワードは“リラックス”
高めの血圧に効果的な音楽のチカラ

2020年11月19日健康チャンネルマガジン
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音楽が血圧を下げるのに効果的であることは、知っている人もいるかと思いますが、なぜかはご存知でしたか?今回は、血圧の専門医として、さまざまなメディアで活躍されるミスター血圧こと渡辺尚彦先生にインタビュー。基本的な血圧の知識から、なぜ音楽が血圧を下げるのに効果的なのか、血圧と音楽の関係性をひもときます。さらに、先生おすすめの簡単にできる降圧法も紹介します。

この記事のポイント!

  • ・高血圧は知らず知らずのうちにカラダを蝕むサイレントキラー
  • ・自分がリラックスできる音楽なら血圧を下げるのに効果的
  • ・まずは自分の平常時の血圧数値を知ることから始めよう

通称“サイレントキラー”
知らぬ間に忍び寄る怖~い症状「高血圧」

最近、血圧を測りましたか? 日頃から健康状態を気遣っている人はともかく、多くの方が、健康診断を受けたときか、体調が悪くて病院にいったときぐらいではないでしょうか。高血圧は自覚症状がないため、数値が上がり体を蝕むことから“サイレントキラー” とも呼ばれています。特に中高年以上の方は要注意です。

高血圧そのものが原因となる疾患もありますが、高血圧によって引き起こされる病気が恐ろしいのです。その代表的な疾患が、脳出血や動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞。まさに生命を脅かす大病の引き金になりますが、言い換えるなら、血圧を正常値に保てれば、病気の予防になります。

「自分の血圧が高いかどうかは、絶えず測定していなければわかりません。高い数値のまま過ごしていると、ある日突然、脳出血を起こして半身不随になってしまうこともある。だから怖いんです」と警鐘を鳴らすのは、高血圧の名医として知られる渡辺尚彦さん。ご自身は、携帯型血圧計を装着して24時間血圧を測定し続け、自己測定の世界記録を持っています。まさに血圧のスペシャリスト。

「今現在、国際的に認められている高血圧の基準は、140/90mmHg(収縮期血圧/拡張期血圧)以上となっています。収縮期血圧というのは、よく『上』と呼ばれる数値で、拡張期血圧が『下』と呼ばれるものです。昔はもっと基準がアバウトで、160/95mmHg以上が高血圧と呼ばれていた時代もありました。しかし、研究が進む中で、もっと低い数値でも病気を発症させることが分かってきたんです。昨年日本でも高血圧のガイドラインが改訂されたのですが、高血圧の基準は140/90mmHgのままでした。
一方世界的にはさらに厳しく、130/80mmHg以上が高血圧の基準と言われています。そう考えると、世界と比べると、日本は高血圧に関する対策が遅れているといえるかもしれません」

「高血圧になる原因はいろいろあります。肥満、塩分の摂り過ぎ、運動不足など。お酒も軽く飲む分にはいいのですが、ビールだったら500ccまで、ワインはグラス2杯、日本酒は1合まで。タバコはご法度ですね。また、中高年になると加齢に伴い血管が硬くなりますので、それもまた要因の一つです。女性の場合、閉経後に血管を拡張させる作用のある女性ホルモンの分泌が減るので血圧が高くなる傾向がありますね。気を付けてほしいのは、緊張しやすくてストレスの多い人、ご家族に高血圧の方がいる人。肥満の方も注意していただきたいです」

ロック音楽でもリラックスできれば血圧は下がる。
音楽と血圧の関係と、自宅でできる降圧メソッド

薬に頼らないさまざまな降圧法を開発している渡辺先生が、誰にでも簡単にできるものとして紹介しているのが、自然が奏でる音色や自分が好きな音楽に耳を傾けること。渡辺先生の外来を訪れた患者さんで検証したところ、音楽を聴いた前後で血圧の下降やリラックス度の向上が見られ、さらに自宅などで継続的に行なったところ通常時の血圧が徐々に下降することが分かりました。

「血圧はメンタル的なストレスで上がってしまいます。そのカギを握るのが自律神経です。自律神経の機能のうち副交感神経がしっかり働くと血圧を下げる作用をもたらします。この副交感神経を働かせるのに効果的なのが、鳥のさえずりや川のせせらぎといった自然の音が持つ『1/fのゆらぎ』や、自分が心地よいと感じられる音楽なんです。つまり、キーワードは「リラックス」です。つまり脳波にアルファ波を誘発することでリラックス効果をもたらす『1/fのゆらぎ』や、ロック音楽でも自分が心地よく感じ、リラックスできれば効果的です。
なお、音楽を聴くときには、立ったままだと交感神経が緊張して血圧が上がってしまうので、座ったり横になったりと、ゆったりとした体勢が良いと思います」

また、何も用いることなく自宅でできる降圧法として渡辺先生が紹介してくれたのが、ドイツの精神科医シュルツが生み出した『自律訓練法』。自身の気持ちをコントロールすることで、血圧を下げる効果が期待できるとのこと。ここでは渡辺先生が自ら実践しているベットの中でのやり方を紹介します。

■自律訓練法のやり方

  • ①体を締め付けない楽な服装でベッドに横になる。
  • ②目を閉じ、体の力を抜いて「気持ちはとても落ち着いてる」と心の中で繰り返し、気持ちが落ち着くのを待つ。
  • ③右手に意識を集中し、「右手が温かい」と心の中で何度か繰り返す。次に左手に意識を集中し「左手が温かい」と繰り返す。
  • ④上記と同様に、「両手→右足→左足→両足→両手→両足」の順に意識を傾けながら、心の中で何度か繰り返し唱える。
  • ⑤これを1セッション、5~10分ぐらい行う。

「この『自律訓練法』を聞いた時は眉唾ものだなと思ったのですが(笑)、実際に寝る前にやってみたところ、血液が心臓から手足に流れていくのを感じるようになり、気持ちが落ち着くんですよ。これはすごいと思って患者さんにも勧めてみると、上の血圧が180mmHgあった人が、3ヶ月後には140/90mmHgを切ったんです。その人だけではなく、何人もの方に血圧計を着けてもらって24時間計測してみたら血圧の変動がおさまりました」

環境が変わるだけで血圧は5mmHgも変化
まずは平常時の血圧値を把握することから始めよう

頭痛やめまいがするなど、具合が悪い時にだけ血圧を測る人がいるが、それは間違い。具合が悪いときに血圧が上がるのは当然です。また、医療機関などを受診した際に血圧を測定すると、普段より少し高い数値になることもあります。大切なのは、自宅でリラックスして過ごしている時の数値を知ることだと渡辺先生は言います。

「病院や健康診断の受診時は、順番待ちをしていたりと軽いストレス下にあるため、その人の本当の血圧値とは言えません。病院や健康診断といったいつもと違う環境だと血圧が5mmHgも変化するのです。なので、定期的に自宅で測定し、平常時の血圧を知っておくことが大切です。医療機関での高血圧の基準値は、140/90mmHg以上ですが、ご家庭で測る場合は5mmHgほど低くなりますから言い換えると、135/85mmHgを超えていれば高血圧となります。将来、重篤な疾患に罹らないためにも、40歳を過ぎたなら、自分の本当の血圧値を知り、正常値をキープすることが大切です

自覚症状がないため軽視しがちな高血圧ですが、その状態が続くと危険な疾患を招きかねません。「そろそろまずいかも…」と思う前に、まずは自分の本当の血圧値を知り、少し高めの方は今回紹介した方法を取り入れながら、健やかな日々を過ごしましょう。

監修

渡辺尚彦(よしひこ)

渡辺尚彦(よしひこ)

聖マリアンナ医科大学卒業。同大学院修了。早稲田大学客員教授、日本歯科大学病院臨床教授、東京女子医科大学東医療センター内科教授などを経て、聖光が丘病院顧問等に就任。24時間血圧自己測定の世界記録保持者。近著に『血圧を下げる最強の方法』等。

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