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味覚、皮膚や髪、性機能など多様に働きかける「亜鉛」

体のあらゆる場所に存在する必須ミネラル「亜鉛」。味覚の正常化をはじめ、皮膚や髪の健康、アルコール分解、性機能維持など幅広い役割がありますが、日本人の食生活では不足しやすいといわれています。そこで今回は、亜鉛がもつ多様な働きについて詳しくご紹介します。

300種以上の酵素に関わる必須ミネラル

亜鉛は、全身のあらゆる器官や組織に必要不可欠なミネラル。体内に含まれる量こそ少ない微量栄養素ですが、体内に千数百あるといわれる酵素のうち、300種以上もの酵素に必要な成分で、体の様々な機能を正常に保つ大切な役割をしています。

新陳代謝が活発な組織ほど亜鉛不足に

亜鉛は、新しい細胞がつくられる際のDNAの複製や、たんぱく質の合成に欠かせない物質です。そのため、新陳代謝の活発な細胞ほど多く存在し、その分不足もしやすくなります。

【亜鉛不足のサイン】

●食べ物の味がわからない

味の感じ方が鈍くなる、甘いのに苦いなどの違った味を感じるなど、味覚に異常を感じたら、亜鉛不足の可能性があります。

●肌荒れ、抜け毛、髪色の変化など

肌、頭皮、毛根の細胞も新陳代謝が活発なため、こうした症状が出てきたら、亜鉛不足の可能性があります。

あらゆる器官や組織で多様な働きをする亜鉛

●人体に有用な酵素に重要な成分

300種を超える様々な酵素に必要な成分で、酵素の働きに欠かせない。

●DNAの複製に関わる

細胞分裂の際に必要で、新陳代謝が活発に行われる組織では亜鉛が多く必要とされる。

●味覚を保つ、唾液の分泌

味覚を感じる舌の味蕾は、亜鉛不足で代謝が悪くなると、細胞の生まれ変わりができなくなり、味覚障害につながる。また、唾液を分泌する細胞にも亜鉛が欠かせない。

●皮膚の健康維持

皮膚に存在するコラーゲンの合成には、ビタミンCと亜鉛が不可欠。不足すると古くなった皮膚がとどまり、肌荒れに。

●爪の健康維持

爪の角質細胞にあるケラチンというたんぱく質の合成にも必要で、不足すると爪が割れやすくなったり、縦ジワが増える。

●髪の健康維持

毛根には亜鉛が多く、毛根への亜鉛の供給が足りないと髪の成長が遅れたり、切れやすくなる。

●傷口の治りを早める

細胞の新陳代謝を促すので、傷の部分の細胞分裂に欠かせない。

●骨の成長を促す

成長ホルモンの機能維持や骨の成長にも亜鉛が必要。骨粗鬆症の予防には、カルシウムとともに亜鉛も欠かせない。

●正常な妊娠の持続

胎児の発育のための細胞分裂に、母親の体内の亜鉛が大量に使われる。そのため、妊婦は妊娠週数が経つにつれ血清の亜鉛値は減少する。母体の亜鉛不足は胎児の発育にも影響する。

●男性、女性の性機能維持

精巣や精液の中には亜鉛が高濃度に含まれ、男性の亜鉛不足は精子不足や男性不妊に。女性の場合は、亜鉛が不足するとホルモンや卵巣の働きが悪くなり生理不順などの原因に。

●二酸化炭素の移送

亜鉛と関わる酵素で最も数が多いのは赤血球内にある炭酸脱水酵素。細胞が出した二酸化炭素を分解するための酵素は、亜鉛がないと作用しない。

●免疫力を高め、風邪を予防する

T細胞やNK(ナチュラルキラー)細胞など、免疫をつくる細胞の働きに大きく影響する。亜鉛をしっかり摂ると風邪をひきにくくなる。

●視力の維持

少し暗くなるとものが見えにくくなる夜盲症はビタミンAが関与しているが、ビタミンAの代謝には亜鉛が不可欠。

●脳機能や精神の安定化

記憶や学習を司る海馬をはじめ、脳には多くの亜鉛が含まれるため、記憶力にも必要といわれている。また、イライラしたり攻撃性の高い人、うつ傾向にある人は亜鉛の摂取が少ないという説がある。

●アルコール分解促進、悪酔い防止

肝臓でアルコールを分解する酵素が働くためには、亜鉛が不可欠。お酒を飲む前に亜鉛を摂ると、肝臓での代謝を助ける。

●インスリンの働きを助ける

血糖値を下げるインスリンの生成に必要で、インスリンの作用を維持させることにも関わる。

●活性酸素の除去

活性酸素を除去するSODという酵素の構成に欠かせない。

近年増えている亜鉛不足

もともと亜鉛不足は、食事量が減ったり胃腸の働きが弱まって亜鉛の吸収率が低下する高齢者に多く見られていましたが、近年は若い世代にも広がっています。
「推奨量に達していない亜鉛の摂取量」についてはこちら

【偏った食生活は亜鉛不足に】

インスタント食品、菓子など加工食品に使われている添加物には、亜鉛の働きを阻害したり、吸収を妨げてしまうものがあります。また、一人ずつ別のものを食べる「個食」や、一人で食べる「孤食」では、ミネラルバランスが偏ったり、いざ味覚障害になってもそれに気づく人や機会が少なく、発見が遅れてしまいます。

亜鉛をしっかり摂るには

牡蛎、豚レバー、牛肉赤身、ココア、アーモンド、ゴマなど亜鉛を多く含む食品を選びましょう。また、米の場合は胚芽に多く含まれるので、精米された白米より、胚芽米や発芽玄米がおすすめです。

推奨量に達していない亜鉛の摂取量

2012-05-08
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