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血液をサラサラにし、脳や目の健康を保つ「DHA、EPA、DPA」

DHA、EPA、DPAは、魚の油に多く含まれる必須脂肪酸の一種。血液をサラサラにする働きがよく知られていますが、年々日本人の魚離れが進み、摂取量は不足しています。今回は、生活習慣病予防のほか、脳機能や視力改善、アレルギー軽減など多彩な働きについて詳しくご紹介していきます。

食の欧米化で進む日本人の魚離れ

DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、DPA(ドコサペンタエン酸)は、魚の油に多く含まれる「オメガ3系脂肪酸」の一種。低温でも固まりにくい性質をもち、動脈硬化や脳梗塞、心筋梗塞など血液との関係が深い生活習慣病予防に役立つことがわかっています。DHA、EPA、DPAは必須脂肪酸と呼ばれ、体内で生成されにくい脂肪酸です。

厚生労働省ではDHAおよびEPAの摂取目標量を1日1g以上、または1日90g以上の魚を摂取することを推奨しています。90gの魚といえば、切り身1切れ程度の量。ひと昔前の日本人であれば、毎日簡単に満たすことができました。ところが近年、食の欧米化が急速に進んだことから魚離れが進み、日本人の魚介類の摂取量は年々減少。厚生労働省の推奨量を達成できなくなっているのが現状です。

血液をサラサラにし脳機能維持やアレルギー軽減、抗ストレスにも働くDHA

DHA、EPA、DPAは、共通する働きが数多くあります。その代表的なものが、血管と血液への作用です。このメカニズムを、DHAを例にして解説しましょう。

DHAは、摂取すると細胞膜に取り込まれ、その細胞の柔軟性を高める性質があります。動脈硬化や高血圧は、加齢や不摂生な生活習慣などによって血管が老化し、弾力性や柔軟性を失うことで起こります。DHAを摂取すると、血管や赤血球の柔軟性を保てるため、動脈硬化の予防に役立つと考えられます。

DHAの柔軟性は、「悪玉」と呼ばれるLDLコレステロールや中性脂肪の抑制にも活躍します。DHAを摂取すると、コレステロールの体内での合成が抑制されます。特にヒトでは、コレステロールより中性脂肪のほうがよく低下します。これは、魚油の摂取により肝細胞の酸化ストレスが抑えられ、肝機能が良くなることで、肝臓での脂質の代謝が活性化した結果と推測されています。

また、DHAは学習機能を司る大脳皮質や、記憶の貯蔵庫である海馬などに多く存在しています。脳の血管の周辺には、悪影響を及ぼす物質の侵入を防ぐため、「血液脳関門」という特殊なチェックシステムがありますが、DHAはこの狭き門を通過できる数少ない物質のひとつのため、脳機能の維持に不可欠な栄養素です。

神経細胞は高齢になるほど減少し、脳内(海馬)のDHAも減少していきます。しかし、DHAを摂取すると、情報伝達を送受信するシナプスの細胞膜が柔軟になり、脳が活性化。学習や認知機能の維持に役立つと考えられています。

また、気分を落ち着かせる働きをもつ神経伝達物質のセロトニンを増やし、不安や緊張を起こすノルアドレナリンを低下させることで、ストレスを和らげる働きも期待できます。

ほかにもDHAは、炎症性疾患を促進する酵素の働きを阻害し、アトピー性皮膚炎や花粉症、喘息といったアレルギー症状や関節炎の軽減にも役立ちます。

DHAを多く含む食材
クロマグロ、サンマ、ウナギ、ハマチ

抗血栓作用がDHAより高く、アレルギー改善や加齢黄斑変性にも作用するEPA

EPAもDHAと同様に魚の油に多く含まれ、似た働きを数多くもっています。そのひとつが血液サラサラ効果ですが、血管の詰まりの原因となる血栓をできにくくする働きは、DHAより高いという報告があります。

また、DHAと同様に、気管支喘息などのアレルギー症状や、関節炎などの炎症の軽減に役立つこともわかっています。

さらに目の健康にも関係があります。加齢黄斑変性は60歳以上の高齢者に多い疾患で、加齢により網膜の中心に位置する黄斑部に障害が生じ、物がゆがんで見えたり、視野の中心部が欠けたりする症状で近年日本で増加傾向にあります。厚生労働省の資料によると、EPAおよびDHAの摂取量が多いと、加齢黄斑変性の発症リスクが減少すると発表されています。

また、EPAは脳の健康にも関係があり、うつ病の患者を対象にした試験でも、その有用性が認められています。

EPAを多く含む食材
キンメダイ、ハマチ、サバ、マイワシ

血流改善作用が高く、血管新生抑制作用で注目されるDPA

近年新たに研究が進められ、注目を集めているのがDPAです。DPAもDHAやEPAと同じオメガ3系脂肪酸ですが、イワシやアワビ、サザエなどにわずかに含まれる貴重な成分で、健康維持に役立つ様々な働きに大きな期待が寄せられています。

DPAは、血管損傷の修復作用、血小板凝集抑制作用に優れ、中性脂肪やコレステロール低下作用をもつことから、動脈硬化予防に役立ちます。その働きは、EPAの50〜100倍ともいわれています。

また、最近注目を集めているのが、血管新生の抑制効果です。血管が新しくできる過程には、生理的なものと、病気がきっかけとなるものがあります。病的な血管新生は、例えば糖尿病性網膜症の場合は網膜に、加齢黄斑変性の場合は脈絡膜に血管ができます。DPAは、これらの血管新生因子を抑制する作用があると考えられています。

DPAは、DHAやEPAのように食品から十分な量を摂るのは難しいため、サプリメントを活用するなど、摂り方を工夫することが大切です。

2013-05-08
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